中屋 黒溜 一年半。
おかげさまでこのブログも100エントリ目を迎えることができました。特に最近は更新もろくにしてなくて、ほんとに細々とではありますが、これまで訪れてくれた皆さまに感謝です。
というわけで節目のエントリ、40歳の記念に作った中屋万年筆の溜塗万年筆のその後なんかを。
一昨年の正月から使い始めたこのペン、使い始めてから僕の万年筆のメインとして、常にペンケースに収まって活躍をしてくれている。使っているインクはプラチナのブルーブラック、他のインクは使わないので、これまで洗浄せずに1年半。万年筆のコンディション保つのには使うこと、というのはまさにその通り。とはいえ古典BBだし、そろそろ一度洗浄して休ませてもいい頃合いかな。
使い心地は控えめに言って最高。
太い軸で漆の手にしっとり馴染む感じは使うたびに惚れ惚れするような手触りでまったく飽きがこないし、四条ネジのキャップは回すというよりひねるといった動作で開閉ができるので使い勝手もいい。
そしてここは良くもあり物足りなさでもあるのだけど、肝心の書き味は#3776センチュリーと同じペン先で、ボディの軽さもあってどことなく乾いた感じ。特に並行して主力で使っているのがペリカンM805だから余計にそう感じるのかな、よく言えば軽快、悪く言えば安っぽい、そんな書き味。
筆記のアクセスが優れていて、軽快な書き味。一方で美しすぎる凛とした漆の溜塗。道具と割り切って小傷も厭わず他の文房具と一緒にしてガシガシ使う境地には至れないあたり、自分の器というものを感じてしまう。
そして溜塗は経年変化が何よりの楽しみ。だんだん上の漆に透明度が出てきて、下の赤の少し主張が少し強く、艶やかな感じが増している気がする。
この漆の感じってどこまで変化していくのだろう、まだまだ楽しみがある。そしてペン先のロジウムコーティングとクリップ色くらいだけどやっぱりカスタマイズして良かったな、何というか自分が向き合っていける自分の道具、という感覚がより強い気がする。
もし中屋で注文を考えている人がいたら、せっかくのことだと思ってカスタマイズは奢ったほうがいいよ。