セーラー プロムナード 主力シリーズの廉価版、なんだけど。
セーラーのプロムナードを買ってみた。
このクラスではカスタム74は94年製と古いものとはいえ持っているし、#3776センチュリーはいずれ届く中屋とペン先が被る。ということでまだ持っていないセーラーの万年筆を試してみたくなったというのがきっかけ。
国産金ペンの定価一万円クラスは各社主力シリーズのベーシックモデルが並ぶが、セーラーでその位置付けとなるプロフィットスタンダード14Kは定価12,000円(税抜)となっており、パイロットカスタム74やカスタムヘリテイジ91、プラチナ#3776センチュリーの定価10,000円(税抜)に価格面でハンデを負ってしまう。それで廉価版としてプロムナードを送り出したということなのだろう。
だったらこちらをプロフィットスタンダードにしちゃえばいいじゃん、と思わなくはないが、そこは主力シリーズとして外せないディティールとかがあるのだろう、ペン先のメッキ? いや、銀モデルはロジウムメッキだし。うーん、微妙な価格なりのコストダウンはあるんだろうけど…。なんとなく、営業面の事情から産まれたモデルだといろいろ勘ぐってしまう。
というわけでプロムナード、中細。黒軸にシルバートリムのものをチョイス。
このモデル、赤と青のカラーモデルがあるのだが、そちらはなぜかラメでキラキラで、ちょっと40の男が持つには勇気がいる。というか、最近のセーラー、ラメ多用しているけど、あれいいか? なんか安っぽいと思うのだけど…。プロムナードの場合赤と青を買おうと思っている人はネットの写真だけ見て衝動に任せずに、まず現物を見て、くれぐれも自分の趣味と合うか確認したほうがいい。
クリップは造りはまあこんなものかなという出来だけど、デザインはなかなか凝っている。錨のマークに細かいメッシュパターンと、ツルンとしていると小キズが気になる場所なので、これはいい工夫。
キャップを外したときのカスタム74との長さ比較。プロムナードのほうがかなり短い。女性ならともかく基本的にキャップは後ろに挿さないと男性には短い。
ボディの太さもプロムナードのほうがひとまわり細身。まあ、カスタム74が大柄と言ってしまえばそれまでなのだけど。
持った感じはちょっとリアヘビーなので、寝かし気味にもったほうがコントロールしやすいかな。
14K中型のペン先は硬めで、サリサリした書き味。新品なので使い込んだらもっと当たりが滑らかになるかな? もちろん硬めといっても金ペンなので、鉄ペン、たとえばカクノあたりのダイレクトにくる硬さと比べると全く質が異なる。手に伝わる硬さは鉄ペンのようにカツンとしたものではなく柔らかい感じなのにペン先のしなりが小さいのがわかる、という感じ。
金ペンの硬いペン先は、面白味は少ないけど、道具としてはとても扱いやすい。インクフローはなんというか適正という感じ。ダバダバではなく、かといって渋くもなく、程よい。これも使いやすさにひと役買っている。
さすがに激戦区、取っつきやすくうまい具合に仕上げてくるなあ、と思う。それにこのプロムナードのキャップはプラチナのスリップシール機構に似た構造で、極端にドライアップしづらいというのも扱いやすさに輪をかけている。これもっと宣伝したほうがいいと思うんだけどな。
主力シリーズのベーシックモデルではないということで国産一万円クラスではちょっと毛色が違うと思ってしまうけど、系譜的には間違いなくそのラインだし、現代的な工夫が多く盛り込まれたモデルで、万年筆使ってるな~、という感覚に浸れる性能とデザインを兼ね備えている。価格面でもプロフィトスタンダードではなくカスタムや#3776に行こうとするのを留める魅力は、きちんと以上に持っている。
コンパクトなサイズで好みはもちろんあるけど老若男女扱いやすいので、主力として使うもよし、さらに個性的な上位モデルの世界(通称:沼)への取っ掛かりにするのもよし、といったところかな。
なお、コンバーターはついていないので、購入時はコンバーターも忘れずに。このクラスはカートリッジだけじゃもったいないよ。
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