紙の上にぐるぐると。

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低粘度インク出るまで。 クロスのボールペンをスイッチ・イットでペンシル化

社会人になってしばらくした頃だったか、兄からクロスのATXボールペンをネーム入りでもらった。しばらくは胸に刺して主力として使っていたのだが、いかんせん低粘度インクもない頃の油性ボールペンで、しかもクロムボディ。とにかく滑りやすく長時間の筆記には向いていないペンで、いつ主力は別のペンに移りそしてその後程なく万年筆を使うようになり、そして世は低粘度インク全盛。明らかにクロスの書き味は時代遅れとなっていた。

 

とはいえリフィルは軸に固定するタイプでブレが非常に小さく基本的な書き心地はいいペンなので、インクを数少ない互換品三菱uniのSK-8に変えてすこし書き味を改善させることで、僕の中ではザ・油性ボールペンとして控えの地位に長らく存在していた。

 

そんな中、多機能・多色ボールペンを調べていてクロスのテックスリープラスなどを見ていた時に見つけたのがこれ、クロス スイッチ・イット。

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ひとことで言うとクロスボールペン用のシャープペンコンバーター。リフィルを交換するのと同じやり方でボールペンが0.7mmのシャープペン(メカニカルペンシル)に生まれ変わる。

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換装した後のATX。当たり前だけどそれなりにしっくりくる外観。やっぱり年期入ってるなあ。

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ペン先部分。ちょっと隙間はあるけど固定の方法や金属製であることから、ボールペンと同様にブレはなく良好。

芯の繰り出し方はボールペンと同じくツイスト式。ボールペンの芯を繰り出すように軸をツイストさせるとペン先が露出してわずかに芯が繰り出される。一度で繰り出される芯の長さはまあ好みだけど、僕にはちょっと短いかな。収納するときはペン先が戻るちょっと手前まで繰り出しとは逆にツイストさせると芯のホールドが緩むので芯を収納し、完全にツイストさせてペン先を収納させる。もともとクロスではツイスト方式のメカニカルペンシルがあるので、そこの機構の応用なのかな? ほぼ独自の規格であるリフィルをこんな形で活かすとは、なかなか面白いアイデアだね。

シャープペンとしての使い勝手も決して悪いわけでないし、リフィルを交換すればまた元のボールペンにすぐ換装できるのも嬉しい。

 

現行クロスはメカニカルペンシルのラインナップが少ないし、クロスのボールペンはウォーターマンと並び贈答品のド定番(主観です。)なので、デザインは好きだけど低粘度インクがなくてなかなか使いどころが ない、なんて人はこんなので遊んでみるのもいいんじゃないかな。

僕は、望みはかなり薄いけど純正または互換の低粘度インクが出るまで、しばらくメカニカルペンシルとして使ってみようかな、と。