紙の上にぐるぐると。

文房具なんかを中心に、興味のあることをつらつらと。

娘はピアノを習いたい、と言った。 アップライトピアノ購入編 その1

レッスンを受ける先生を探すのと並行して、ピアノを買うことにしていた。電子ピアノでなく、アップライトピアノ。これは奥さんの要望で、子どもにピアノを習わせようと決めたときからの既定事項だった。
幸い僕の自宅は一軒家で、近隣のお宅にも迷惑にはならない立地だし、リビングには十分スペースがある。費用面で肚をくくれば電子ピアノで妥協する必要はない。

 

というわけでピアノの情報を集め出す。

 

…高い。覚悟はしていたけど高い。

 

ということで、新品と併せて中古品も視野に入れて探し始めることにした。

 

で、結論を言ってしまうとカワイの新品ピアノを購入したのだけど、その中で新品と中古をいろいろ見てきて、なんとなく僕が感じた選び方みたいなものを。


前提として、僕は音楽の知識や音の良し悪しを聞き分けるような耳は持ち合わせていないし、せっかく高い買い物するのだから、それなりに所有感のあるものが欲しい、というようなタイプである。

 

まず、これは新品も中古も変わらないピアノの大きさについて。幅はどれも変わるものではないけれど、高さはモデルによって異なるので、選ぶときには注意が必要。

アップライトピアノの背の高さは、基本的に背が高いほうが大きな音が出るし、造りにゆとりができるのでいい音を出せる余地が大きいと言って良さそう。
なので広いリビングで背の低いピアノを置くのはもったいないし、一方あまり大きな音が出せない環境で背の高いピアノを買うのは消音に苦労するので、置く場所の環境に合わせて選ぶのが良さそう。

 

ではまず新品ピアノ、メーカーとモデルの選び方を。

 

1.ヤマハ・カワイ

音の良し悪しがわからないならこれを選んでおけば間違いない、という安心品質なのが誰もが知っているこの2メーカー。というよりこの2メーカー以外ははっきり言って自信がないなら選ばないほうが無難だと思う。


ざっくりと1,000千円を超える高級品と600~800千円クラスの普及品、500千円を切るエントリモデルと3つくらいのクラスにカテゴリ分けができると思う。

エントリモデルはヤマハ、カワイともにインドネシア製。音の良し悪しは僕には正直わからなかったけど、お店はこのクラスは勧めてこなかった。音よりも造りや品質がそれなりで、数十年使うとどうなるかわからない、ということなのかなと勝手に理解。

 

ピアノの基本構造は家電製品と違って大きく異なるものではないので、価格の違いはだいたい背の高さや使っているパーツのグレードと仕様がグランドピアノに近づくかだと思っていいと思う。背が高いほうが価格は高くなるし、ハンマーや鍵盤といったものの素材が良くなれば価格は上がる。どこにその人なりのお買い得感を見つけるかの世界かな。

なお、カワイは大橋幡岩氏というピアノ界での名工? の系譜をもつディアパソンやスタンウェイの2ndブランドであるボストンというブランドも製造しているが、これらはだいたいカワイの高級品クラスの価格帯。
また、カワイは特約店モデルというのも存在していて、それは直営店では取扱いがないので注意。


2.その他国産メーカー

僕らの父母世代が知っているような昭和中期の国産メーカーは現在概ね絶滅している。生き残っているところでは東洋ピアノのアポロがあるが、これは一部高級品を除く普及価格帯(ヤマハやカワイより安価)は中国製造で国内調整というもののようだ。大手ショップのPBは東洋ピアノやアサヒピアノが多いようだが、価格からして中国製造だと思われるので、抵抗があるなら避けたほうがいいみたい。自分の耳に自信があって、音やタッチが気に入るならそれは当たりなんだろうけどね。

 

3.海外メーカー

基本的にヤマハやカワイと同程度以下の価格帯のものは欧米ブランドのものもすべて中国製と思ったほうがいいし、日本向けに作られているかどうかもわからないので、上記国産メーカーの中国生産品よりバクチ度は高いので、基本的に避けたほうが無難だと思う。海外メーカーは2,000千円を超えるようなものを、こまめに調整して使えるような人向けなんじゃないかな。

 

身も蓋もない話なのだが、結局新品を買おうと思うと、自分の耳に自信がある、惚れ込めるようなものに出会ってしまったとかでないのなら、もしくは生産国にこだわりがないとか数年しか使わない、という割り切りができないならヤマハかカワイの普及品以外に選択肢はないように思う。

そこまでの予算がないなら中古か電子ピアノを探したほうがいい世界なんだろうな、きっと。というのが僕の結論。というわけで、次回は中古ピアノの探し方なんかを。