紙の上にぐるぐると。

文房具なんかを中心に、興味のあることをつらつらと。

2年目のペリカン M805 ヴァイブラントブルー

前のエントリで挙げた中屋万年筆と同じ日に使い始めたもう一本、ペリカンM805 ヴァイブラントブルー。

tome-zoh.hatenablog.com

ペリカンM800はド定番なのでいつかは使ってみたいと思っていたけど、値段からなかなか手を出せなかった。そんな折小金ができたところにヴァイブラントブルーの青が決定打となって購入たのが一昨年末。

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そして中屋ポータブルと同じペンケースに収めて主力として使い始めて1年。これもインクはペリカンのロイヤルブルーのみと決めて、ペン先の洗浄を控えて使ってきた。

 

そういや購入した時に、そのうちレビューと書いたけど、そのままになっていたな。

 

というわけで、改めて。

ペリカンM800はペリカンスーベーレンシリーズの中核的な存在で、エボナイトを使った手作りの中屋とは対照的に、金属と樹脂を取り混ぜた華やかで重厚感のある造り。外観については以前にも触れたのでこの辺に留める。

スーベーレンシリーズは吸入式の万年筆。コンバーターに比べて容量が大きく、このM805はピストン吸入で動作する尻軸の動きも実にスムーズでメカ感がある。手持ちの同じ吸入式のラミー2000と比べると(価格差があるので当然だけど)実に良くできている。

 

ペン先は大きめの18kで、このペン先が実にいい。なんというか官能的。ペン先は硬い、なのだけど書き味はオイリーというか、紙との間に限りなく薄い膜があるように引っかかるところもなくスーッとペン先が流れる。これは驚きだった。

僕のペンは線幅M、フローで書き味を滑らかにしている感じでもないのが不思議。ちなみにこのペンはペンドクター川口氏の検品を受けたもの、とはいえ調整されたものではないだろうから、当たりに出会えればこれくらいのポテンシャルのあるペン先なんだと思うと、そりゃド定番になるわけだ。もちろん、純正インクを使っていることも意味あることだと思うけどね。

 

筆記感はそれなりに重さがあってこのペン先なので、流れるようにペンが進む。そして重量バランスも良くて、キャップを後ろに挿しても挿さなくても違和感なく筆記できる。

 

実用との兼ね合いからペン先はMを選んで、それはそれで十分気持ちよく筆記を楽しんでいるのだけど、たぶんBとかを使うともっと気持ちよく書けると思う。逆にFとかで手帳に、というのはペン本体の大きさからも向いていない。それならM400とかを選んだほうがいい。このペンは、太めの線幅を選んでおおらかに書くのが楽しいペンだと思うな。

 

今のところ、僕の中では細字は中屋、太め(とはいってもMだけど)はこのペリカンという棲み分けができて、この二本と極黒を入れたカスタム漆が鉄板ラインナップで、それ以外はちょっと位置づけが下がる、といった感じ。

 とはいえまだまだ機会があったら使ってみたいペンは多々あるので、今後もいろいろ試してみようとは思っているけどね。